Ring Without Wordsのレビュー
いわゆる一つの交響詩的解釈なのでどちらかというとこれは一般ピープルをワーグナーに洗脳させたいディープなファンのためのアイテムといった、位置付けの方が面白い。
歌詞があるとこれからワーグナーを聞きだす人には頗る評判が悪い。(但し例外も存在する。かの「ワルキューレの騎行」は歌詞があったほうが身の毛のよだつ戦慄を味わえる。)
「お経みたいで・・・・」・・・確かに。
そういうわけであるからこのレヴューを見ている初心者にはまずお薦めしたい。中級上級者はこれを被験者に使ってBGMに仕込むんだり、さりげなく洗脳しよう。大抵ワーグナーの曲の旋律は長時間浸かっていると体の奥底で、何かが変化しはじめ、あるときを境に、もっと聞いてみたいという欲求がムクムクと盛り上がるのでそのときまで被験者に語り出すのは控えておこう。
さりげなく、控えめに、しかし、気が付いたときにはもう遅い「毒の味」を教えてあげよう。「蜜の味」とも書き換え出来る所がワーグナーの凄いところだけれども。
全曲盤は諸刃の剣のようなものだから、此処で持ち出すは危険。とにかく最初は管弦楽集で十分に受け入れ態勢をば・・・・
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若干テンションが落ちてしまい、強烈な灰汁がなくなってしまったように感じられます。
ウィーンフィルとのシベリウス交響曲全集とかで、一気呵成にドライブしていたこととは違い、ここでのベルリンフィルとのワーグナーは、意外と表面は鳴っているものの、
深みのある音ややる気がいまいち見えてこなくなっています。
これはマゼールがお年を召したということと無関係ではないでしょう。また、いつまでも感情的に急進的であることも難しいということを告げ知らせているのかもしれません。
ですので、音楽としてはあまり堅苦しく考えなくて、
さらさらと聴けるBGMとして看做すのがベター。
とりあえず、音はしっかりなっているので、聴き損の感がありません。
ワーグナーの途方もない世界に現世を忘れてしまいという、強烈な志のある方は、
マゼール盤ではなく、マタチッチ/チェコフィル盤をお勧めします。
強引かつ強烈な音群が、あなたを彼方へ連れ出すことでしょう。